映画『何様』上映会を終えて

サムネイル画像。シアターでの集合写真。

上映会主宰(監督 菅野鼓太郎)より

会場に足を運んでくださった皆さま、そして本企画を支えてくださったすべての関係者の皆さまに、心より御礼申し上げます。
映画『何様』の上映会は、多くの方々にご来場いただき、無事終了いたしました。

当日、運営を行う中で最も驚いたのは、想定していた客席数を大きく上回る方々が足を運んでくださったことでした。
「入場料を設定してもよかったのでは」という声をいただくほどでしたが、今回の上映を無料とした判断に後悔はありません。
学生映画という、商業から一度距離を取ったインディペンデント作品だからこそ、できる限り多くの人に届けたいと考えていたからです。

一方で、今後チーム「トリアイナ・ワークス」としては、商業制作にも積極的に挑んでいきたいと考えています。
エンターテインメントという形で、誰かの時間や感情に寄り添うことができるのであれば、それ以上の喜びはありません。

当日は、サツゲキ スクリーン3という空間の中で、作品が観客一人ひとりの時間と向き合う瞬間が、確かに生まれていました。

監督として映画『何様』をスクリーンで観たときの感動は、今もはっきりと身体に残っています。
本格的な音響設備と大きなスクリーンの中で、自分の作品が立ち上がる瞬間を、客席から見つめていました。
自分で脚本を書き、自分で撮影し、自分で編集した映像が、劇場という場で初めて「映画」として成立する。
その体験は、想像していた以上に強く、自分の内側に作用しました。

なぜ、そこまで心を揺さぶられたのか。
それが何だったのかは、正直なところ、いまだに明確な言葉にはできていません。
ただ、その瞬間に、自分の中で確かに何かが目覚めた感覚がありました。

この感動は、きっとこの先の人生の中でも、忘れることのない出会いになる。
そう確信できたこと自体が、今回の上映会で得た、何より大きな収穫だったのだと思います。

雨本よしひろによる『おみそしる』では、彼の作品に通底する一種の〈曇った〉空気感のようなものが、
レンズを通じて、そしてスクリーンを越えて会場に漂っていたように感じました。

また、津田息吹と雨本よしひろが制作してくれた私のドキュメンタリー『圏外に生きる』では、笑い声が上がる場面もあれば、涙を流す方の姿もありました。
自分の人生を題材とした作品によって、誰かの感情が動く光景を目の当たりにする経験は、これまで想像したことのないものでした。

それらは、数字や言葉では測れないかたちで、作品が確かに届いたことを示していたように感じています。

上映後には、直接感想をお寄せいただく機会にも恵まれました。
どの場面が、どのように受け取られたのか。
その一つひとつは、今後の制作において立ち返るべき、確かな手触りとして受け止めています。

本上映は、チーム「トリアイナ」にとって、ひとつの到達点であると同時に、次へ進むための基準点でもあります。
これまで積み重ねてきた試行や対話が、観客という他者の時間に触れたことで、初めて輪郭を持った。
その事実自体が、今回の上映会の大きな成果でした。

また、本企画を通して、北海道芸術デザイン専門学校の先生方、星槎の皆さまからいただいた支援と学びが、
確実に制作へと還元されていることを実感しています。
教育の場で培ったものが、表現として外に開かれた時間でもありました。

改めまして、ご来場くださった観客の皆さま、制作に関わってくださったキャスト・スタッフ、関係各所の皆さま、
そして日々支えてくれている家族へ、深く感謝申し上げます。

この上映は終わりではなく、始まりです。
『何様』を起点として、これからも「時間に向き合うエンターテインメント」を、より精度高く設計していく所存です。

今後の活動にも、ぜひご注目ください。

監督
菅野 鼓太郎

上映会企画・運営
トリアイナ・ワークス
開催劇場
サツゲキ

トリアイナ・ワークスHP